細川会計事務所@千葉 の中の人のブログ

令和元年11月、千葉市内で独立開業した30代ひとり税理士のブログです。

細川会計事務所の中の人のブログ

なぜ脱・電話、脱・FAXをするのか。

当事務所ではもちろん電話もFAXも用意していますが、あまり積極的な利用は行っていません。

ニーズに応じて電話もFAXも使用しますが、中長期的にはさらに利用頻度を下げたいと考えています。

 

電話の不便さやリスクを認識しつつも、『これまで通りの心地良さ』と『未知のものへの不安』が、多くの事業者の電話からの卒業を妨げているように感じています。

 

 

『電話の優しさと思いやり』は平成に置いてこよう

メールやチャットサービスは、見たいときに見、返信したいとき返信することができます。

急用である場合を除き、忙しい時や体調の良くない時に無理をし、または相手に無理をさせる必要はありません。

 

ひと昔前ですと、『メールのような文字のみのやりとりは冷たい』『声を聴かないと伝わらない』『怠慢だ』などがよく言われましたが、今はまったくの逆の認識です。

電話は『今その時間』の相手を強く拘束します。

相手の時間その他の事情を最大限尊重した上で、相手を縛らない、配慮のコミュニケーションツールとしてのメールやチャットサービスという認識が急速に広まっています。

 

相手に負担を強いる、という意味ではFAXも同様です。

FAXでデータをいただく場合、そのデータ処理または保存は手入力で行われますが、EXCELやPDFの場合そのような必要はありません。

 

携帯電話とネットFAXの普及により固定性のデメリットはいくらか解消されたとはいえ、固定電話や複合機FAXをメイン利用されている場合、電話機と複合機の仕事を見守るためだけに常に誰かが事務所で待機しておく必要があります。

これではテレワークやフリーアドレス制への移行は一向に進みません。

 

これは、そこで働く従業者たちのQOLに影響を与える問題でもあります。

同じ仕事をするならより自由に楽しく、同じ時間を働くならより効率的に。

もはや電話やFAXの監視のためだけに愛する従業員を満員電車に送り込む必要はないという時代を、我々は生きています。

 

電話の閉塞性と刹那性を甘くみない

電話は基本的には1対1のコミュニケーションとなるため『周知する』という行為にはあまり向いてはおらず、結果として複数の人を介しての伝聞となってしまいます。

いつだって伝聞ミスは起こりうるものですし、大事にしていたはずの電話の『温度感』の伝達もこれでは達成されません。

その閉塞性、そして、録音でもしていない限り発信物がその一瞬で過去のものになってしまう刹那性のリスクは、正しく認識しておいたほうがいいと思います。

 

メールやチャットサービスの場合、オープントークで同時に複数の方への発信が行うことができ、かつその内容は電子データとして保存され、再現性は非常に高いです。

『言った言わない』や『忘れちゃったからもう一度』に無駄な時間や手間を割く必要は一切なくなるでしょう。

 

当事務所がメイン利用しているChatworkやSlackにはタスク管理機能もついているため、部下への指示やお客さんへのお願い事の管理にも強い力を発揮します。

使い方だって、みなさんが日頃使用しているLINEやショートメールとなんら変わりはありません。

もし使い方がわからなければ、LINEが使えるお子さんやお孫さん、若い部下などに聞けば、3分もあればきれいさっぱりと解決することでしょう。

 

銀行や役所に引っ張られないように

銀行や役所では今でも電話とFAXがエース級の活躍をしています。

双方とも建前としてセキュリティを理由としていますが、スキルやリテラシーが追いついていない、という実務上の理由があるように思います。

 

事業者側としては銀行と役所、どちらとも強度の高いコミュニケーションニーズが発生するため、結果として電話とFAXを使わせられてしまうのですが、そこにあまり引っ張られ過ぎないことが肝要です。

 

『大きなもの』に合わせて安心するのではなく、時流にアンテナを張り、より時代に即した『効率的なもの』にトライしていく会社は、いつの時代だって強くあるものです。

 

最後に

『私、メールとか苦手なんですけど…』というお客さん(関与先)がいた場合に、『じゃあ電話を使いましょう』というのは、一見優しく思いやりのあるように見えます。

慣れているものを愛おしく感じる気持ちも理解できます。

 

しかし個人的にはさらに一歩先の思いやり、『じゃあ使い方をお教えするので、少しずつでいいので、一緒にトライしてみませんか?』を言えるようにしていきたいと思います。

関与先の効率化や省エネ化は、会計事務所にとっても仕事の質や効率性の向上につながりますし、人として、トライしてやろう!と思ってくれる、その心意気が嬉しく、なんとかそれに答えたいと思うものです。

 

『関与先と共に発展していく』というのは決算書の数字だけではなく、経営者や従業員及びその家族のQOLや幸福感、人生の充実感、というレベルで達成したいと考えている以上、いつまでもラクチンな『現状維持』では足りない、と個人的には感じています。

ハードルは高いですが、めいっぱいのやりがいはあります。

 

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***編集後記***

テレビを新調することにしました。

言えない。DBDを快適にやるためだなんて、言えない。