自営業やフリーランスの方はみなさん感じられていることだと思うのですが、会社勤めを辞めると公私の区別がとてもあいまいになります。
私も土日関係なく気づけば朝起きてから夜寝るまでずっとパソコンの前にいたなんていうことがざらにあります。
会社勤めしているときは5分の残業でも本当に嫌でしたし休日出勤なんて絶対にしませんでしたから、大した変わりようです(笑)
開業準備でまだまだやることは山ほどありますが、やらされている仕事よりずっと楽しいので、ルールでも決めておかないと今後も際限なくやってしまいそうです。明らかにライフワークバランスを崩している状態です。
世のひとり社長やフリーランスの方々はそのあたり自己管理も含めいったいどうされているのでしょうか。
ちょっと調べてみました。
A.家とオフィスとを分ける
これは良し悪しですよね。私も開業当初は固定費を抑えたいので自宅で仕事をするつもりですが、その後どうするのがいいのかまだよくわかっていません。
朝家を出て職場にたどり着くまでの間に頭を仕事モードに切り替える感覚はとてもよくわかります。もともとあまりコーヒーは飲まない方だったのですが、ここ数年は通勤途中に飲む1杯のコーヒーが欠かせなくなりました。
千葉ですと月3万円ほどで借りることができる小さなパーソナルオフィスを検討したこともあります。
一方、好きな時に仕事ができるというのは在宅ワークの大きなメリットです。体調が悪くてもパジャマのままでもPCさえ開けばいつでも仕事が始められます。働き方改革の影響もあってかテレワークやノマドさん、副業をやられている方もかなり増えてきていますし、社会の流れ的には断然こちらです。
この辺は人を雇うかどうかや、家庭環境によっても大きく左右されそうですね。
B.ツールを分ける(パソコンや電話など)
これはけっこう重要な気がしています。PCメインのお仕事の場合、このPCでしか仕事はしないと決めておくとかなりメリハリつきそうです。
そういえばとある企業は時間になるとPCが自動的にシャットアウトされてしまうそうですが、ここまでやるとさすがに不便そう…。
PCを複数用意するのが難しければアカウントを分けるか、もしくはブラウザを分けるというのも検討してみてもよいかもしれません。ちなみに私はもともとgoogle chromeをメインで使用しサブでOperaやFirefoxあたりを使っていましたが、今はほぼchromeしか使わなくなってしまいました。
電話については私も今後分けようと思っていて、DSDS(1台の携帯電話に2つの異なる電話番号を付す機能)で対応しようと考えています。
C.きちんと働く時間を決める
これが簡単なようでなかなか難しい(笑)
そもそも在宅での仕事の一番のメリットは時間の面でのフレキシビリティにありますので、例えば仕事は9-5時と単純に決めてしまうのはなんとなくもったいないですよね。
であれば例えば1日8時間もしくは週40時間といったように枠で決めておくというのはどうか。うまく時間管理ができる方でしたらこのやり方がベターかもしれません。
それでもどうしてもうまくいかないという方は、働く時間を決めるよりも休む時間を決めてしまったほうが効果的かもしれませんね。
ちなみに時間管理を完全に放棄してしまうのはおすすめできません。「ひとり」に慣れていない方にとっては、タスクの効率化や最適化すら放棄してしまうことと同義なことのように感じます。
D.公私を分けない
意外と多かったのがこちら。私も退職後ひとりでしこしこ開業準備をしている中で、実は似たようなことを考えていました。好きな時に働き好きな時に休むというのは実は本来の人のあるべき姿に近いのでは?なんて思ったりするのです。
もちろん心身のバランスを崩すほどの働きすぎには注意するべきですが、家で仕事をしていれば家族といる時間も勤め人よりずっと多く作れるでしょうし、体調が悪いときは菌やウイルスをまき散らしながらフラフラ電車に乗る必要もありません。仕事に煮詰まったときはDVDを観たって買い物へ出かけたっていいでしょう。規則や誰かの指示ではなく、自分で自分の生活を好きなようにデザインすることができます。必ずしも公私混同を悪者にする必要はないという考え方です。
なぜ公私を分ける必要があるのか
そもそもなぜ公私を分ける必要があるのか?を考えると、労使関係の問題や心身の健康、人生の充実など、人によって様々な要素が混在していてなかなかひと言で言い表すことは難しいでしょう。中には仕事や職場環境があまり好きではないので分けたいという方もいれば、趣味に時間を費やしたいからという方もいるでしょう。会計事務所勤務の場合、資格取得を理由にされる方も多いかと思います。
いずれにせよ、要するにサラリーマンの場合、どうしても「公」に属する時間は自らの意志でコントロールできない要素が多くなるため、意図的に「私」の部分を「公」から切り離さないと自己の生活や人生がコントロールできない不確定要素で充満してしまうリスクがあるということです。
なので仕事が大好きなワーカホリックマンやそのコントロール不可な状態に身をゆだねることを気持ちよく感じる方は、そもそも公私を分ける必要性など感じないのです。
労働観の変化
かつてはお給料というのは、8時間という「時間」や、オフィスで皆共に働くという「従属」に対する対価としての意味合いが強いものでした。働く側からすれば、時間や忠誠心を切り売りしている感覚です。
それが平成の半ば以降、徐々に変わっていきます。今も変遷の途中でしょう。
何を生み出したか。何を提供したか。「提供価値」が重んじられるようになっていきます。
労働を形成する諸要素の中に、場所や時間や忠誠心などの占める割合は10年前20年前と比べ明らかに減少しているのではないかと思います。
技術的にも、今はクラウドやテレビ会議、ビジネスに特化したチャットアプリもあります。
今後も間違いなくこの流れは加速していくでしょう。
私はどうするか
で、私自身はどうするかというと、事務所が本格的に動き出すまではあえてこのまま公私を分けずにやっていこうと思っています。
もちろんサラリーマン時代よりずっとデスクに向かっている時間は長いですが、この期間にどれだけ準備を積み重ねられるかはとても重要なことだと思っていますし、そもそも実は今の生活にそれほどストレスは感じていません。走りに行きたいときは走りに行っていますし、今は毎日が楽しいです。
こう余裕をもって考えられるのも、「公」の部分すらある程度コントロール可能なひとり社長やフリーランスの特権なのかもしれません。
開業後ですが、心身共に自己管理だけはかなりの精度で行う必要があると考えています。どの仕事だって一緒ですよね。ひとりで営む以上、サラリーマン時代と違い代わりはいません。時には責任と自覚をもって「休む」必要があります。
もっとも、唯一の特技が早寝早起きである私にとって、生活リズムの乱れだけはまったくもって心配要りませんが(笑)
そしてこれらはすべて、働き方のみならず、生き方のお話でもあります。
日々選択の連続です。
***編集後記***
昨日の朝、ベルセウス座流星群をみるために3時過ぎに起床しました。
北東の方角がちょうどうっすら雲がかっていた中、ふたつだけ見ることができました。
お祈りをする間もなく消えていきましたが、とてもよい時間でした。