細川会計事務所の中の人のブログ

令和元年11月、千葉市内で独立開業した30代ひとり税理士のブログです。

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贈与税ってなんだ?その概要について【そもそもシリーズ第5回】

そもそもシリーズ第5回目は贈与税の概要についてお話ししたいと思います。

 

贈与税の位置づけ(相続税との関係)や課税対象、主な特例その他、基礎の部分についてできるだけわかりやすく説明していきます。

 

 

贈与税ってなに?どんなときにかかるの?

贈与とは、財産を他人に無償で与えることです。

『財産』なので、お金に限らず、土地や家屋、車だって対象です。

また、直接与えたつもりはなくても、借金を免除したり、財産の名義を変更したり、無償でなくても著しく低い金額で譲った場合も贈与税の課税範囲に含まれます。

 

贈与税は人から人へ贈与行為がなされた際、課税されます。

ちなみに法人から人の場合には主に所得税の対象となり、

人から法人の場合には主に法人税の対象となります。

 

相続税との関連性について

贈与税は、相続税の抜け穴をふさぎ、不当に課税を免れないようにする機能を有しています。

つまり、相続税を補完する関係にあります。

もし贈与税がなければ、誰だって死んだ時にできるだけ手元に財産を残さないよう生きているうちに家族や知人に譲ったりしようとしますよね。

そうすると相続税という課税フィルターがうまく機能しなくなり制度自体が形骸化してしまうおそれがあります。

そうならないよう、死亡時の財産移転に対する課税は相続税、存命なうちの財産移転に対する課税は贈与税、と役割分担をすることで、贈与税は相続税という税制度を守っているのです。

 

贈与税っていくらかかるの?

贈与税は1年単位で計算されます。暦年課税といいます。

よく知られている通り年間110万円の基礎控除がありますので、110万円を超える贈与分に対して課税がなされます。

 

税率ですが、一般税率と特別税率とがあり、20歳以上の子や孫に対する贈与については特別税率が適用され、その他一般の贈与よりも優遇がされています。

以下特別税率の税率表です。

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例えばおじいちゃんが20歳を超えた孫へ1,000万円の贈与を行った場合(通常の贈与)、 

 

(1,000万円-110万円)×30%-90万円=177万円

 

の贈与税が発生することになります。

 

控除や非課税枠について

贈与税には各種控除や非課税特例が設けられています。

オーソドックスなもののみ紹介します。

 

配偶者控除

一定の要件を満たす夫婦間の贈与については2,000万円の控除が認められています。

要件は以下のとおりです。

 

・婚姻期間が20年以上である

・居住用の住宅、もしくは住宅を取得するための資金を贈与

 

これにより基礎控除110万円と合わせて2,110万円まで非課税とすることができます。

ただし配偶者控除の適用を受けたい場合、贈与財産の価額がたとえこの金額の範囲内であっても贈与税の申告は必要となりますので注意が必要です。

 

住宅取得等資金に係る特例

子や孫のマイホーム購入のため親や祖父母から資金援助があった場合、最大3,000万円(R1.12月現在)の非課税枠が設けられています。

要件はやや複雑ですので詳細は国税庁HPでご確認下さい。

ここでは大まかなところのみ記します。

 

・贈与者側:

直系尊属である

 

・受贈者側:

20歳以上である

その年の所得が2,000万円以下である

贈与を受けた翌年3/15までに住宅取得及び居住を済ませている

ほか

 

・住宅:

自身の居住用である

床面積が50-240㎡である

ほか

 

教育資金一括贈与に係る特例

親や祖父母から子や孫へ教育資金を一括で贈与する場合、最大1,500万円の非課税枠が設けられています。

支払いの都度、ではなく一括で、といったところがまずひとつポイントとなります。

主な要件は以下の通りです。

 

・直系尊属からの贈与であること

・子や孫が30歳未満であること

・当該財産は信託銀行などに預け入れること(要・非課税申告書の提出)

ほか

 

なお、子や孫が30歳になった時点で当該口座に残がある場合、その金額は贈与税の対象となりますので注意が必要です。

 

相続時精算課税制度

当制度を利用する場合、贈与時には最大2,500万円まで贈与税がかかりません。

そのかわり、相続が発生した際、その他の相続財産と合算し課税がなされます。

 

メリットとしては、贈与者の財産を相続による移転を待つことなく利用することができるようになることや、贈与時の価額をもって相続税の計算を行うため、今後大幅な値上がりが見込まれる資産につき値上がり前の価額でもって相続税の計算をすることができることなどが挙げられます。

 

60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子や孫への贈与であることなどが主な要件となります。

 

最後に

冒頭にある通り、贈与税は相続税の補完税となっています。

ということは逆を返すと、うまく使えば相続税の負担を減らすことにもつながります。

巷に聞く『相続対策』の多くは贈与税の特例を利用したものです。

 

また、よくいわれる基礎控除を利用した毎年110万円以下の連年贈与についてですが、契約書の取り交わしその他段取りをきちんとしておかないと後々の大きなトラブルの元となりがちです。

無申告で100万円の贈与を10年続けたはいいが、1,000万円の贈与の分割払いとみなされ課税された、なんていう話もこの業界ではよく聞かれるネタのひとつになっています。

 

贈与や相続の場合、どうしてもなにかあった場合の金額が大きくなりがちです。

不明な点や心配な点がある場合、お近くの税理士に相談されるのがよろしいかと思います。

 

 

 

***編集後記***

先週金曜、私にとって最初の会計事務所であった職場の方たちに開業祝いをしてもらいました。

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A5ランクのシャトーブリアンは口の中であっという間に溶けてゆきました。

お祝いの品も袋いっぱいにいただきました。

人の温かさが身に染みた、師走の夜でした。