固定電話とFAX。どちらもTHE昭和なツールですが、ビジネスは相手あってのものですので相手が必要としているものについてはこちらも利用しなくてはなりません。
かといっていつまでも古いものや慣習に振り回されていては、フリーランスや私のようなひとり税理士などの場合には特に、業務の効率化は達成できません。
それぞれの必要性や代替案について検討してみようと思います。
固定電話について
まずは固定電話ですが、先日行きつけの美容室のオーナーさんに髪を切ってもらいながら固定電話は置かなくていいかなと思っているといった旨の話をしたところ、『おれは古い人間だから、固定電話に信頼性を感じる』という言葉が返ってきました。そのオーナーさんは40台半ばです。
もちろんそういった考えを持たれている方が一定数いるというのは頭では理解はしていましたが、古くからの知り合いでビジネスの上では先輩でもある方にあらためて言われてしまうと少し考えてしまいます。やはり固定電話は必要…?
固定電話を置く場合
固定電話を設置する場合、選択肢としてはふたつ。一般的な固定回線(アナログ回線)を敷くか、もしくはひかり回線を敷くかです。
アナログ回線について
固定電話をアナログ回線で新規に導入する場合、まずはイニシャルコストとして施設設置負担金(昔の電話加入権)が36,000円かかります。施設設置負担金がかからない『ライトプラン』なるものもありますが、その代わり月額基本料金がいくらか高く設定されています。
その月額基本料金ですが、通常のプランでおよそ1,500円~1,700円ほど。ライトプランの場合で1,700円~2,000円ほどとなっています。
その他使い勝手等についてはここで語る必要はないかと思いますので省きます。
ひかり回線について
一方のひかり電話ですが、インターネットの光回線の導入とあわせて工事を行った場合、多くの場合導入費用(工事費含む)は無料もしくは微小な負担で済む場合が多いかと思います。
月額基本料金はauひかりの場合月額500円となっており、他もおおよそその程度となっています。
通話料ですが、アナログ回線の場合距離によって変動しますが、ひかり電話の場合国内ですと料金は均一(8円/3分程度)です。相手先が市内であればそう大きく変わりませんが、県外等遠方へかける場合、ひかりのほうがずっと安くなることが多く、また携帯電話やインターネットとのセット割等が適用されるケースも多く、コスト面ではこちらのほうが優位と言えるでしょう。
ひかり回線のデメリットについてですが、時報(117)や天気予報(177)などに代表されるNTTの提供するサービスについては利用ができなくなります。
また停電時、アナログ回線の場合NTT基地局さえ生きていれば通話は可能ですが、ひかり回線の場合自宅が停電していれば一切利用ができなくなります。
固定電話を置かない場合
固定電話を置かない場合、すべて携帯電話での対応となります。各社定額通話し放題のプランが用意されていますのでそちらでの運用となるでしょう。
大手3社の場合、ガラケー通話し放題プランで月額おおよそ2,600円ほど。
大手3社以外ですと、同様のプランでワイモバイルが月額2000円ちょっとで利用できますのでおすすめです(ただし新規の場合回線のみの契約ができませんので別途機種代金がかかります)。
MVNO(格安SIM)での通話し放題プランですと、多くの場合プレフィックス回線(通常の電話回線とは異なる通信方式)を使用していますので通話品質の低下が懸念されます。ビジネスでは避けておいたほうが懸命でしょう。
FAXについて
固定電話を置くのであれば
新たに通常のFAX機を導入するという選択肢はあえて消します。ひとり仕事では必要ありません。
Windowsの場合、パソコン内にすでに『Windows FAXとスキャン』というアプリケーションが入っていますので、PCに電話線を突っ込めばFAXの送受信が可能となります。
導入方法につきましてはこちらのブログがわかりやすくまとめられていました。sorapooさんありがとうございます。
インターネットFAXについて
インターネットFAXというサービスがあります。固定回線を敷いていない場合でも、インターネットを介してのFAXの送受信が可能です。
仕組みとしてはメールに似ていて、送信の場合、所定のサイトから相手先と送りたいファイルを選択し送信ボタンを押すだけです。
受信についても、FAXが届いた際はメールでファイルが送られてくる(メールは通知のみで、ファイルそのものは所定の場所へ取りに行くものもあります)ので見落とすことはありません。
この場合、印刷したいもののみを選択してプリントアウトすればよいので、紙の節約にもなります。
運用コストについては各社バラバラですが、平均で月額基本料として1,000円程度かかり、別途、受信は(一定枚数)無料で送信のみ1枚あたり10-20円程度かかる、といったところが多いようです。
基本料が安いところはその分送受信の単価が高くなるので、利用頻度によって選択は可能でしょう。
最後に
固定電話が必要であるか否かについては、私自身も答えが出ておらず、このブログを書きながら再度思考している次第です。
電話に頼って仕事をするつもりはない一方、固定電話に対する『信頼性』は目に見えないだけに考えてしまいます。
FAXについても、いまだにこれほどビジネスでFAXを多用している国は珍しいとよく言われますが、最初に書いたとおり、相手先(特に税務署と銀行)が必要としているのであればこちらも使わざるを得ません。
事業者ごとにビジネス環境や求めるものが異なりますので、一概にどれがよいという答えの提示にはなりませんが、ひとり~小規模事業主であれば、サービス利用料や紙のコストを考えインターネットFAXを利用するという選択肢はあってよいのではないかと考えています。
***編集後記***
今日はMFクラウドさんと打ち合わせです。
根掘り葉掘り聞いてきたいと思います。