LISTEN ひとり税理士開業準備中のブログ

現在千葉市内で独立開業準備中の30代税理士のブログです。

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宗教法人の税金について(概要)

今回はお寺や神社などの宗教法人に関する税制についてのお話しになります。

 

宗教法人はその公益性等により一般の法人と比べ税制上大きく優遇されています。

 

今回はそのうち主に法人税および消費税に的をしぼってご説明していきたいと思います。

 

 

収益事業を行う場合、法人税の納税義務があります

株式会社など一般の事業法人については、利益の獲得とその分配が主目的となりますので、その所得に応じて法人税などが課税されます。

 

一方、お寺や神社などの宗教法人については、営利を得ることが本来の目的ではなく、またその公益性を鑑み、法人税等につき原則非課税となっています。

ただし収益事業を行う場合には、その収益事業から生じた所得に対してのみ課税されることとなっています。

 

収益事業って?

さて、そもそも収益事業の定義ですが、次に掲げる34の事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいいます。

34の例示

物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業・放送業、運送業・運送取扱業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技場業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授業、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供業、労働者派遣業

以上のものになります。

 

具体例

お守り、おみくじ等の販売

お守りやお札、おみくじなどのように、実質的な喜捨金と認められるようなものの販売については収益事業に該当しません。

一方、一般のお店でも販売されているような絵はがきやキーホルダー、線香、数珠などの販売については物品販売業にあたるとして収益事業に該当します。

 

ただし、線香やろうそく、供花などについて、専ら神前・仏前に捧げられるために下賜されるものについては収益事業に該当しません。

 

墳墓地の貸付

永代貸付も含め収益事業に該当せず、非課税です。

 

宿泊施設の経営

旅館業に該当し原則収益事業とされます。

ただし、簡易な共同宿泊施設で、すべての利用者につき1泊1,000円以下(食事付の場合1,500円)のものついては収益事業に該当しません。

 

駐車場の経営

時間貸し、月極めともに駐車場業に該当し、収益事業となります。

 

結婚式場の経営

神前結婚や仏前結婚の挙式で、本来の宗教活動の一部と認められるものについては収益事業に該当しませんが、その後の披露宴における飲食物の提供などについては飲食店業または席貸業に該当することから収益事業とされます。

 

経理の方法

税計算を正しく行うため、原則貸借対照表及び損益計算書はそれぞれ収益事業と非収益事業とに分けて作成する必要があります。

ただし実務上、資産および負債について収益事業と非収益事業との区分が困難な場合があるため、その場合には資産の費用化(減価償却など)などの際に合理的な基準をもってそれぞれに損益案分を行います。

 

また申告にあたっては、収益事業に係る貸借対照表および損益計算書だけでなく、非収益事業に係るこれらの書類も添付する必要がありますのでお忘れのないようご注意ください。

 

届出について

宗教法人が収益事業を営む場合、『収益事業開始届出書』を税務署へ提出する必要があります。

また、青色申告される場合には『青色申告の承認申請書』もあわせて提出しておきましょう。 

 

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消費税について

概要

消費税については、宗教法人も一般の営利法人とほぼ同様に納税義務を有します

ただし宗教法人の場合、その性質上(収益事業を営んでいない場合)収益についてはお布施など課税対象外のものが大部分を占めるはずですので、結果として免税事業者になることが多いでしょう。

 

また、仕入税額控除については一定の調整を行う必要があるため、一定の特定収入に対応する部分のみが控除の対象となります。

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具体例

一般的に宗教法人に多く見られる収益について、消費税の計算上、それぞれ以下のように取り扱います。

 

お布施、戒名料等:不課税

 

お守り、おみくじ等:不課税

絵はがき、キーホルダー等:課税

 

墳墓地の貸付け:非課税(土地の貸付け)

墓地、霊園の管理料:課税

 

神前結婚、仏前結婚の挙式等:不課税

式後の披露宴における飲食物の提供等:課税

 

宿泊施設の提供(1泊2食1,500円以下):不課税

 

まとめ

以上、宗教法人の税制についての概要でした。

その他固定資産税や不動産取得税などについても、専ら本来の宗教活動の用に供するものに限り非課税扱いとなりますが、細かい話になりますのでまた機を改めます。

 

実務上のお話ですが、収益事業を営んでいる場合、上記した通り収益事業・非収益事業とで分けて経理を行う必要があり非常に煩雑です。ミスや漏れのないよう十二分に気を配る必要があるでしょう。

もし手におえないと感じられた場合には税理士にご相談ください。

 

 

***編集後記***

けっこうしっかりとした風邪をひいてしまいました。

昨日から身体の節々が猛烈に痛み動けません…(泣)。

夏風邪は長引きがちなのでみなさんも気をつけてください。