上記記事の続報です。
事の顛末から申し上げると、お断りいたしました。
理由としては、過年度の申告漏れだけではなく、かなり悪質で強度の高い脱税指示があったためです。
『それをするのであれば、他の事務所様でお願いいたします』とお伝えしたところ、激昂。
『通帳返せ!取りに行く!』
正直身の危険も感じなくはなかったので、『郵送します』と無理矢理話をおさめ電話を切りました。
僕は税理士としてけっして堅苦しいタイプではありませんしかなり融通の利くほうだと思いますが、同時にそれなりの倫理観を持っているという自負があります。
それは僕のスペシャルではなく、至極当然のことであると考えています。
しかし残念ながら、一部納税者の方の中には税理士のことをただの書類作成代行業か何かだと勘違いされていらっしゃる方も見受けられます(本当に一部です)。
当件の社長様もこちら側の方だったように思います。
成功したければ仕事と手段は選ぶべきではないという同業も実際に近くで見てきましたが、僕はそうではありません。
これは仕事の話ではなく、生き方の問題です。
それでも今少し気持ちがもやもやしているのは、『これからはちゃんとやりてえんだよ』という言葉を信用し、しかしその信用をビリビリっと破り捨てられてしまった虚しさのようなものでしょうか。
おそらく彼は間に入ってくれた紹介者の顔に泥を塗ったことにも気がついていません。
先日一度税務署へ相談へ行っているため、これ以上無申告のまま押し通すことは無理でしょうから、この後あの社長様はどちらかの会計事務所へご依頼されることと思います。
さてさて、そちらの税理士先生はどういう判断をなされるのでしょうか。
僕にはもう関係のない話ですが、後学のため結論ぐらいは聞いておきたい気もします。