開業にあたって減らしたいものがいくつかあります。
一番は紙です。
購入時、保管時、処分時それぞれにコストがかかりますし、環境にもよくありません。
会計事務所の仕事では従来、大量の紙を消費します。
書類のコピー、作成資料のチェック、試算表や決算書その他資料の大量プリントアウト…。
紙の優れた機能としては『保存性』『伝達性』『検査性』あたりが挙げられるかと思います。
このうち『保存性』については、もはやこのIT時代においては形骸化しているといっても語弊はないでしょう。
【デジタル保存】 + 【外部バックアップ】で、少なくとも紙と同程度の保存性は確保できるはずです。
例えば資料を紙でもらった場合、保存のためのひと手間(スキャン)はありますが、今はスマホアプリでも使いやすく精度の高いものがあります。
私はMicrosoftのOffice Lensを使用しています。Adobe Scanなど他のアプリも試しましたが、読み取り精度・速度はOffice Lensが一番でした。
また謄本等のオフィシャル文書などでもっときれいに保存したい場合で、複合機をお持ちでないときには、ハンディタイプのスキャナーが2万円程度でそれなりのものが手に入りますのでそちらを検討してみてもよいかもしれません。
バックアップについては、外付けハードディスクかDropboxなどのオンラインストレージサービスで対応します。
次に『伝達性』についてですが、伝達のIT化を進めるにあたっては、渡す側だけでなく受け取る側にも相応のITリテラシーが要求されることから、特に対お客さまのシーンでは慎重である必要があると思います。
ITにそれなりに通じている方とはメールはもちろんのことDropboxやGoogle Drive等のオンラインストレージの共有を通じてファイルのやり取りをすることも可能ですが、メールに画像を添付することさえままならないお客さんは今もたくさんいます。
当然そういった方たちをおいてけぼりにしてはいけないので(いきたくもありませんが)、お客さまごとに柔軟に対応したオーダーメイドスタイルをとる必要があるでしょう。
また年一でお渡しする決算書についても、電子データでOKだよという方もいれば、やっぱり決算書は紙で欲しいよという方も依然として数多くいますので、この辺りも柔軟に対応していければと思っています。
最後に『検査性』ですが、作成資料等のチェックをする際、モニター越しではなく、やっぱり紙のほうがやりやすいし安心だという方は比較的多いのではないでしょうか。
実は私も今のところチェックだけは紙で行いたい派です。特に精度の面でどうしても不安が残ります。
今はタブレットやタッチパネル型のPCもだいぶ普及してきており、デジタルデータのままチェックマークをつけながら検査を進めることもできます。
中にはすでにそういった方法でやられている方もいますので、この辺りは好き嫌い・向き不向き次第になってくるのかなと思っています。
私も単に慣れの問題なのかもしれません。
紙が減れば当然紙の購入費用も節約できますし、シュレッダーに余計な時間をとられることもなくなります(シュレッダーを使うぐらいなら溶解処理をおすすめします…)。
その8割が二度と見ないであろう大量の紙資料の保管のために大きな事務所や倉庫を借りたりする必要もなくなります。
そのためにはITへの投資と、それらをうまく扱うためのほんの少しの手間と時間とチャレンジ精神とを要しますが、長期的に見た場合、そちらのほうがずっと事務所(一般の会社にも当てはまりますね)経営のスリム化に資するのではないでしょうか。
***編集後記***
微熱こそ残りますがだいぶ身体が動くようになりました!
こんなに長く寝込んだのはいつぶりでしょうか…。
今夜はサッカー日本代表がパラグアイ代表と戦います。
森保監督に代わりトライできる若い選手が増えたので試合を観ていてとても気持ちがいいです。