細川会計事務所@千葉 の中の人のブログ

令和元年11月、千葉市内で独立開業した30代ひとり税理士のブログです。

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土地などの資産をタダで他人にあげた場合の税金について

不動産などの資産を他人へ無償であげた(ここでは無償譲渡と呼びます)場合、その課税関係は非常に複雑で、思わぬ納税義務が発生することも。

 

ご自身が個人か法人か、譲渡先が個人か法人かによって扱いも大きく異なります。まとめてみました。

 

<前提>

土地(取得価額1,000万円、時価1,800万円)を無償譲渡した。

 

あげた側=贈与者

もらった側=受贈者

 

 

ご自身が個人である場合

相手先が個人である場合

贈与者側

課税はありません。

受贈者側

贈与税の対象となります。

その相続税評価額相当額(時価に準ずる金額)に対し課税されます。

(非課税枠=110万円)

 

相手先が法人である場合

贈与者側

みなし譲渡所得が800万円発生、所得税が課税されます。

どういうことかというと、あげた方の個人は、ご自身が持っている1,000万円の土地を1,800万円で売り、その1,800万円をキャッシュで法人へあげた、と解するとわかりやすいかと思います。

すると譲渡所得として1,800万円-1,000万円=800万円が発生しますので、その部分への課税がなされることになります。

受贈者側

時価相当額1,800万円が益金(もうけ)に算入されます(法人税等の対象)。

 

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ご自身が法人である場合

相手先が個人である場合

贈与者側

複雑です。まず土地を時価相当額(1,800万円)で譲渡したものとして同額のみなし収益(法人税等)が発生し、同時に取得価額である1,000万円が原価へ算入されます(この時点で利益に与える影響は差額の800万円)。

次に、 その1,800万円を寄付したとして、寄付金課税がなされます。

寄付金の額のうち一定の金額(法人の状況や相手先によって大きく異なります)は損金の額(経費)に算入されませんので、その損金の額に参入されない部分については法人税等の対象となってきます。

受贈者側

時価相当額(1,800万円)の一時所得が発生し、所得税が課税されます。

一時所得については50万円の特別控除額があり、はみ出た分の1/2相当額が課税の対象となります。

 

なお勤務先からの贈与である場合、給与所得課税も考えられます。

 

相手先が法人である場合

贈与者側

相手先が個人である場合と同様です。

(まず土地を時価相当額(1,800万円)で譲渡したとして同額のみなし収益(法人税等)が発生し、同時に取得価額である1,000万円が原価へ算入されます(この時点で利益に与える影響は差額の800万円)。

次に、 その1,800万円を寄付したとして、寄付金課税がなされます。

寄付金の額のうち一定の金額(法人の状況や相手先によって大きく異なります)は損金の額(経費)に算入されませんので、その損金の額に参入されない部分については法人税の対象となってきます。)

受贈者側

個人からの贈与であった場合と同様です。

(時価相当額1,800万円が益金(収益)に算入されます(法人税等の対象)。)

 

最後に

見ていただいたとおり、資産の無償譲渡というのは課税関係がとても複雑となっています。

土地や家屋等、不動産ともなると必然的に金額も大きくなりがちであるため税務署目線からしても目の付け所となってしまいます。

また、上記した課税の前提となる時価の算定についてはさらに複雑怪奇なものとなっています。

このようなお取り引きが発生した場合にはぜひ無理をなさらず、お近くの税理士へご相談されることをおすすめいたします。

 

 

 

***編集後記***

昨日MJSさんと会計ソフト導入の件で打ち合わせをしてきました。

ひとり税理士としては正直ややオーバースペック・オーバーコストな印象がありましたが、実際お話をお伺いしてみるとまた違った面も見えてきました。

後日まとめます。