なにかに迷み、迷い、自分ひとりの考えではどうにもこうにも突破口が見いだせない時、人は人を頼り相談をします。
相談という行為の目的としては、例えば
・悩みや愚痴を聴いてもらいスッキリしたい
・自分の置かれている状況を把握していてもらいたい
・知識や知恵を借りたい
など、人それぞれ状況によってそれぞれですが、今回は最後の『知識や知恵を借りたい』ケースに話のターゲットを絞ります。
重要なのは相談をする相手ですが、私見では以下の3つの要件を満たす人物が好ましいと感じています。
信頼の置ける人物
言うまでもなく、人としての信頼関係がすべてのベースとなります。
相手が信頼できないのに、その相手の口から出てきた言葉を信頼できるでしょうか。
相手が信頼できないのに、安心して自分の弱く柔らかい部分をさらけ出すことができるでしょうか。
そしてそれは相談された相手だって同じです。
ベースとしての信頼関係がなければ、仮に相談をして『自分が想定していた答えではない答え』が返ってきた場合、それを素直に受け止めることすら難しくなります。
今回の話の前提である『知識や知恵を借りたい』ような状況に置かれている場合、自身の考えや力ではどうにもならず相談をしているケースがほとんどでしょうから、まさに『想定外』を求めて相談をしているにも関わらず、です。
ですので、まずは相手の『進言』を素直に受け止めることができる人物を選ぶこと。
さらには、仮に結果としてうまくいかなくとも、笑って結果を報告できるような相手であること。
人生うまくいくことばかりではありません。
間違っても怒りや『あいつは役立たずだ』などという感情が生まれてしまうような相手には大事な相談をするのは避けましょう。
勝手に相談して勝手に失望して、これではただの嫌なヤツです。
利害関係のない人物
その事象について利害関係が強く介在している人に相談事をするのは極力避けたほうがよいでしょう。理由は2つあります。
まず1つは、その利害関係が『答えそのもの』に影響を及ぼす可能性があること。
これはわかると思います。
損得勘定がふんだんにトッピングされたアドバイスを信用するのは、深刻な状況であればあるほどリスクでしかありません。
もう1つは、大事な相談であればあるほど、利害関係がその『答えに対する信頼』に及ぼす影響は大きくなるであろうこと。
人に物事を相談をする際、誰だって相手の回答やアドバイスの意義や価値をある程度は信じようもしくは信じたいと思うはずです(その答えやアドバイスの採用不採用とはまったく別の話です)。
でなければその答えを次に活かすことができませんし、そもそもアドバイスを求めた意味がありません。
返ってきた『答え』を信じるためにも、利害関係のある人物への相談は極力控えたほうがいいと思います。
実際に経験をしている人物
まったく何も意識をせずに相談相手を選んでいると一番見逃しがちな要素かもしれません。
今自分が悩んでいる物事やアドバイスを求めている対象を、相手が実際に体験し、知っていること。
そうでないと、
・見当違いの目線から
・ノウハウや見識に基づくことのない(=想像でしかない)
・実現可能性がまったく考慮されていない
・無責任な
答えが返ってきてしまいがちです。
そのような答えが本当に自分にとって強固な盾を破る『鉾』となり得るか。
『相談してくれた相手のため、経験したことのない事象について一生懸命考え答えをひねり出す』ことを要求される相手にとっても酷な話でしょう。
更にいうと、その方の経験というのもその人限りの経験ですので、複数の経験者からたくさんの経験値を分けてもらい、客観性を確保できればもっと良いですよね。三人寄れば文殊の知恵ってやつです。
最後に
経験上、これら3要件のうちどれかひとつでも欠けていると、的外れ・期待を満たさない答えが返ってくる可能性がグンと高くなります。
それでも自分とは違う感性に基づいた答えですから、何かしら得ることはあるかもしれませんが、もっと適した人がいるはずです。
繰り返しになりますが、自分が置かれている状況に応じて話は大きくかわります。
もし『悩みや愚痴を聴いてもらいスッキリしたい』といったような時には、相談相手はなにより『信頼の置ける人物』であることが大事ですよね。家族や友人、恋人など。
しかしもし自分がこの先悩み、迷い、相手の答えに強力な『突破口』を求める場合、この3要件を思い出してみてはいかがでしょうか。
***編集後記***
友人からもらった開業祝いです。
運が開けてきた感じがすごいです。