細川会計事務所の中の人のブログ

令和元年11月、千葉市内で独立開業した30代ひとり税理士のブログです。

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社長ってボーナスもらえるの?役員報酬の取扱いについて

企業で働く従業員のみなさまのお給料は程度の大小あれど毎月少しずつ金額が異なることが多いはずです。残業代やその他諸手当の変動があるからです。

 

しかし役員に対する報酬や賞与はそうはいきません。会社の利益を比較的容易に調整することが可能となるため、法人税法では役員報酬の損金算入について厳しい制限がかけられています。

 

そこで今回は役員報酬の損金算入要件についてお話ししたいと思います。

 

 

結論から言えば、損金算入できる役員報酬は以下の3つに該当するものとなります。

 

1.定期同額給与

2.事前確定届出給与

3.利益連動給与

 

ただしこのうち3つ目の利益連動給与については要件が厳しく中小企業ではなかなか適用の難しいものとなりますので、下記では定期同額給与及び事前確定届出給与に絞って解説していきたいと思います。

 

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 定期同額給与とは

 

毎月一定の時期同額が支払われる給与」のことをいいます。

 

A株式会社

事業年度:×1年1月1日~×1年12月31日

 

CASE1:毎月25日に50万円支給した

 

 →定期同額給与に該当。全額損金算入が可能となります。

 

 

しかし、下記それぞれの場合、それぞれ損金に算入されるのは同額部分のみとなり、はみ出た部分については法人税法上損金不算入となります(経費として認められないということです)。

 

CASE2:1~8月まで毎月50万円支給していたが、会社の業績が思いのほか良く利益が出そうなので、9月より70万円の支給となった。

 

 → 損金に算入されるのは50万円部分のみとなります。つまり、9月以降のはみ出た部分、70万円-50万円=20万円については損金算入不可ということになります。このケースですと、20万円×4か月=80万円が損金不算入となります。

 

CASE3:1~8月まで毎月50万円支給していたが、会社の業績が思いのほか悪く資金繰りも悪化しているので、9月より35万円の支給となった。

 

  →この場合、同額部分は35万円となります。つまりはみ出た部分は1~8月の50万円-35万円=15万円となり、その8か月分=120万円が損金不算入となってしまいます。

 

 

CASE2、3の損金不算入部分については、当然役員に対して報酬は支払っているのでキャッシュは流出します。しかしその流出部分に対しても税金が課されてしまうので、会社にとっては二重のキャッシュアウトとなってしまうのです。

 

定期同額給与の改定事業年度開始から3か月以内に限り可能なので、通常は決算報告を行い翌期の見通し等を検討したうえで株主総会等で決議を行います。

 

 

事前確定届出給与とは

 

会社の業績に大きく寄与したなどとして、役員に対しても賞与をお支払いしたいケースもあるでしょう。このような場合に活用したいのがこの「事前確定届出給与」制度です。

 

事前確定届出給与とは、あらかじめ支払時期及び支払金額を定めた届出書を税務署へ提出しておくことで、定期同額となっていなくても損金算入を認めてくれる制度です。

 

ただし、提出期限がきつく定められており、次のいずれか早い日までとなるのでご注意ください。

 

(A)次のいずれか早い日から1か月を経過する日

  (a)株主総会による決議をした日

  (b)職務の執行を開始する日

(B)事業年度開始の日から4か月を経過する日

 

中小企業の場合、通常株主総会は決算確定後すぐに行うケースが大体かと思いますので、この場合(A)の(a)に該当することとなります。

なので実際は、決算報告会開催時に翌期の定期同額給与とあわせて事前確定給与についての検討・決定をすることが多いです。

 

ちなみにこの事前確定届出給与、仮に届出金額と異なる金額を支給した場合、その差額のみ損金不算入になります・・・というわけにはいきません。支給額全額(!)損金不算入となります。

この点定期同額給与より優しくありませんので、支給の検討はどうか慎重に。

  

まとめ

 

役員報酬は・・・

 

◇定期同額給与 →必ず毎月一定額を支給しましょう。

◇事前確定届出給与 →必ず届出通り支給しましょう。

 

ということにつきます(笑)

 

役員報酬につき損金不算入額が発生した場合、通常どうしても金額が大きくなりがちです。上記したように、報酬支給でキャッシュアウト、税金納付でさらにキャッシュアウトとなると企業にとってはかなりの痛手となります。

とすると決算後の翌期の業績予測については、やはりそれなりに慎重に行われるべきだということになります。

会計事務所とのコミュニケーションが大事となってくる部分でもあります。ご注意ください。

 

それでは、おつかれさまでした。

細川