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記帳代行か自計化か

僕がこの業界にきて最初の会計事務所では、記帳代行がメイン業務となっていました(95%以上の顧問先が記帳代行スタイルでした)。

 

なのでそのスタイルそのやり方がこの業界の「普通」で、それ以外(つまり自計化)をあまり知りませんでした。こんなもんなんだろうな、と。

 

しかしその事務所で数年を過ごしたのちステップアップのため次へ進むと、その「普通」が普通ではありませんでした。

 

次の会計事務所では、新規顧客は100%自計化、いわゆる記帳代行サービスは完全にお断りしていました。現状記帳代行スタイルをとっていたお客さまについても、IT補助金などを活用し随時自計化システムを導入していきました。

 

どちらもそれぞれ経験したうえで、どちらがいいか個人的に断言するつもりはありませんが、それぞれのメリットデメリットは以下の通りと把握しています。

 

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自計化のメリット

◇業績把握のリアルタイム化

すべての会計情報の作成を完全に会計事務所へ丸投げしている場合、自社の経営状態や業績を把握するまで早くとも1.5か月はかかる。それから社内で情報を共有し経営の打ち手を検討しなどしているとどうしても経営判断が後手後手となってしまう。この点特に資金繰りに問題を抱えている会社などにとっては致命傷となるおそれも。

 

◇経営への積極的な参加

自計化されている企業の従業員さん(経理担当者に限らず)は一般に経理・経営・財務に明るい傾向にある。自社で数字をつくり数字を検討する体制をつくることで、今後発生する費用の推測(無駄遣いがないかのコスト管理も含め)や将来の利益管理がかなりの精度で可能となる。

 

◇記帳代行費用がかからない

 

記帳代行のメリット

◇人力が不要

自計化を行う場合、入力作業をする担当者が必要。それも自社の財務情報を開示できるほど人間的に信頼のおける人物。規模によっては複数人必要で、また、当然その分の人工コストもかかる。簿記の知識等についてはあればあるでよし、なくてもどうにかなります。

記帳代行の場合これらに頭を悩ませる必要はなくなります。

 

◇設備投資が不要

自計化を行う場合、パソコン、会計ソフトの購入・レンタル費用がかかる。記帳代行の場合、パソコンはともかくとして会計ソフトなどへの投資はなくなります。

 

◇会計事務所のサポート体制にそれほど左右されない

自計化を行う場合、中にはスタートアップの際、会計ソフトがインストールされたパソコンを渡され「はい、お願いします」の事務所もあるようです。そういった事務所・担当者にあたってしまうとスムーズな自計化はなかなかもって難しくなります。記帳代行の場合、資料をお渡ししたらあとはひたすら数字が出てくるのを待つだけです。

 

 

自計化と記帳代行のデメリットはそれぞれひっくり返して見ていただければわかりやすいかと思います。

ただし、 

 

自計化⇔企業の健全な成長

 

という関係は、にわとりとたまごの関係でどちらが先んずるものかは微妙なところですが、経験上ある程度の関連性はあるのかもしれません。

ただ上に記したデメリットがメリットを大きく上回るようですと良い自計化とは言えませんのでその場合は素直に記帳代行をお願いしたほうが良いのかもしれません。自計化が難しくとも、現金出納帳をつけるだけでも意識付けはできますから。

 

また、会計事務所に何をどこまで期待しているのかによっても違います。ただ純粋に正確な数字が欲しいのか、それとも経営助言やコンサルティング的な部分まで要しているのか。

 

いずれにしても、自社のニーズと会計事務所の供給がある程度マッチしていないと双方ともにストレスを抱えます。個人的にはどちらのニーズもキャッチできる体制でいたいなとは思っていますが、それを考えるとこれまでのキャリアも決して無駄ではなかったんだと少しだけ嬉しい気持ちになります。

 

ではまた!